読みもの
整然と箱が並ぶ棚を背に、木の机の上に開かれた1冊のアルバムと眼鏡

ほかのアプリとの違い

クラウドに全部あるのに、見返していない

保管としては、もう完璧に近い

写真の保管について言えば、いまはほとんど困ることがありません。

Google フォトでも iCloud 写真でも、撮った写真は自動で上がっていきます。端末を落としても、機種を変えても、写真は残ります。容量さえ足りていれば、何枚撮っても入ります。検索もできますし、勝手にアルバムまで作ってくれます。

写真を失わないための仕組みとしては、もう十分に完成しています。

それなのに、去年の写真を最初から見返したことはありません。

私も年間で約1万枚の写真を撮影して保存しています。クラウドにバックアップされていて、iPhone からでもパソコンからでも見られますし、端末が壊れてもデータが失われることはありません。10年分以上が保管されていますが、たまに特定のアルバムを開くくらいで、最後に遡って見返したのがいつなのかは思い出せません。

保管庫と、日記

クラウドは保管庫です。

入れる基準は「撮ったかどうか」。撮ったものは全部入ります。それが保管庫の正しい形で、選別してしまったら保管になりません。あとから必要になるかもしれないものを、判断せずに預かっておく場所です。

1日1枚は日記です。といっても、文章を書く必要はありません。その日のいちばんを1枚決めておくだけで、日付順に並びます。

入れる基準は「その日を思い出せるかどうか」。全部は入りません。入れないことのほうが多いくらいです。あとで開いて見返すために、開ける量に絞っておく場所です。

この2つは、どちらかがあればいいというものではありません。 保管庫がなければ写真は失われますし、日記がなければ写真は見返されません。困っていることが違うので、道具も別になります。

検索できても、見返さない

クラウドの検索は、本当によくできています。

「2歳 誕生日」と入れれば出てきますし、写っている人でも、撮った場所でも絞り込めます。探している写真が頭に浮かんでいるなら、まず見つかります。

それでも見返さないのは、検索が「目的が決まっているとき」の道具だからです。

「あのときの写真が見たい」には効きます。でも「去年はどんな年だったか」には効きません。何を探せばいいか分からないものは、検索欄に入れられないからです。

自動で作られるアルバムも似ています。よくできた振り返りが届いても、通知を開かないまま流れていきます。こちらから見に行く形になっていないものは、たいてい見ないままです。

先月、「去年の夏休みはどう過ごしていたかな」と思って検索してみました。「2025 夏」の検索結果として出てきた写真は2,000枚を超えていて、スクロールの途中で見るのをやめてしまいました。

探しものがあったわけではなく、ただ流れを見たかっただけです。検索は候補を絞ってはくれますが、絞った先もやはり2,000枚で、見返す形にはなりませんでした。

写真が多すぎて手がつけられない状態そのものについては、子どもの写真が増えすぎて整理できないに手順を書きました。

並べ方が違う

2つを並べると、違いは入口と出口にあります。

保管庫(クラウド) 日記(1日1枚)
入れるもの 撮った全部 その日の1枚
入れる基準 撮ったかどうか 思い出せるかどうか
探し方 検索・自動アルバム 日付順に並ぶ
開くとき 探したいとき 見返したいとき

「開くとき」が、いちばんはっきりした違いだと思います。

保管庫を開くのは、何かを探しているときです。目的があって開くので、用が済めば閉じます。

日記を開くのは、見返したいときです。探しものはありません。最初から順に並んでいて、1年ぶんでも終わりまで見られる。そういう量になっているから開けます。

クラウドは、止めなくていい

誤解のないように書いておくと、クラウドをやめる必要はまったくありません。

バックアップはそのまま動かしておいてください。写真を失わないための仕組みを手放す理由はありませんし、1日1枚はその代わりになるものではありません。

そのうえで、その日のいちばんを1枚だけ決めておく。それだけで、1年後に開ける形になります。保管庫はこれまでどおり全部を預かり、日記は365日ぶんを順番に並べる。役割が分かれているので、両方あって困ることはありません。

our365 の写真は iPhone とお使いの iCloud にだけ保存されます。私たちのサーバーには送られないので、クラウドと our365 に二重に預けることにもなりません。

撮った写真は、これからも増え続けます。それは構いません。そのうち365枚だけ、その日のうちに選んだものが並んでいれば、1年を最初から見返せます。


2児の父親の目線で欲しいものを作ります。